バランスの取れた理想的な食事として評価の高い「和食」。今回のマメ知識コラムは、最近見直され、注目を集めている「和食」についてのお話です。
和食の行く末
しばらく前から、和食ブームだと言われています。昔から食べられているはずの自国の食をブームと称して新しがるのは、いかがなものでしょう。ブームは、必ずいつか過ぎ行き、廃れたり、忘れ去られるものです。ならば、このブームもいずれは、終わりの時を迎え、同時に和食も過去のものになってしまうのでしょうか。そんなことは、ありえない。と思いたいのですが、絶対にないと言い切れない事態が起こっているようです。
どんなものを食べ、どんな言語を話し、どんな性質を持つのか、それはその民族のアイデンティティーでもあり、簡単に変わるものではないはずですが、今、それが歪みかけているのかもしれません。
この先のことを想像すると、和食はもとより、日本人そのものの存在さえあやふやなものになってしまうようで心配になります。
どんなものを食べ、どんな言語を話し、どんな性質を持つのか、それはその民族のアイデンティティーでもあり、簡単に変わるものではないはずですが、今、それが歪みかけているのかもしれません。
この先のことを想像すると、和食はもとより、日本人そのものの存在さえあやふやなものになってしまうようで心配になります。
人生は朝食から始まる

育ち盛りの子供を持つ家庭の朝食を調査した、あるグループの資料を見て愕然としました。
カステラひと切れ、プリン1個、菓子パン1個・・・など、それぞれ朝食とは言いがたい内容であるだけでなく、そういう家庭があまりにも多いのです。長期間の調査資料から、それらが希ではなく、日常だということもわかりました。朝食は大切だと理解し、栄養バランスを考えているという母親が用意する貧しい朝食。立派な意識とは裏腹な現実です。食べないよりマシ、なのでしょうが、これでは食事ではなく、食餌ではないでしょうか。 一日の始まりに「餌」を食べさせられる子供に、心の豊かさを求めるのは酷なことかもしれませんね。
食事を通して子供たちは、味やマナー、季節や文化を学びます。それは、一日に、たった三回しかない貴重な機会です。心身ともに逞しい子に、自立した成人に、と導くのはメッセージがこめられた食事です。一度、自己チェックをしてみませんか。「人生は朝食からスタートする」こう言っても良いものだと思います。
カステラひと切れ、プリン1個、菓子パン1個・・・など、それぞれ朝食とは言いがたい内容であるだけでなく、そういう家庭があまりにも多いのです。長期間の調査資料から、それらが希ではなく、日常だということもわかりました。朝食は大切だと理解し、栄養バランスを考えているという母親が用意する貧しい朝食。立派な意識とは裏腹な現実です。食べないよりマシ、なのでしょうが、これでは食事ではなく、食餌ではないでしょうか。 一日の始まりに「餌」を食べさせられる子供に、心の豊かさを求めるのは酷なことかもしれませんね。
食事を通して子供たちは、味やマナー、季節や文化を学びます。それは、一日に、たった三回しかない貴重な機会です。心身ともに逞しい子に、自立した成人に、と導くのはメッセージがこめられた食事です。一度、自己チェックをしてみませんか。「人生は朝食からスタートする」こう言っても良いものだと思います。
相性が良い食べ物
「イングリッシュ・ブレックファースト」をご存知でしょうか。英国の朝食のことですが、それは立派なものです。
〈フルーツ/シリアルとミルク/フルーツジュース/ヨーグルト/ベーコンやハムなど/卵/温野菜/サラダ/パン/紅茶〉料理の評判があまりよくない国ですが、朝食は完璧なものです。日本人には、ボリュームがありすぎる内容でも、それは英国の歴史と生活の中で完成した英国人に合ったものなのです。これを日本人が真似てボリュームを減らして作ると、簡単なパン食メニューになり、さらに手抜きをすると菓子パン1個の食餌になります。パン食も洋食も否定はしませんが、別の気候風土と歴史の中で食べ継がれた他民族の食を自国の食とするのには、無理があるような気がします。着物を洋服に変えるのとは違い、食べ物には、その民族にしっくり合うものとそうでないものがあります。アジアの農耕民族のDNAに刻まれたものと西欧の狩猟民族のそれとは、まったく違うのですから、真似るのは、ほどほどに、と言っておきましょう。健やかであるための食の秘訣とは、自分のルーツに逆らわないことかもしれません。
〈フルーツ/シリアルとミルク/フルーツジュース/ヨーグルト/ベーコンやハムなど/卵/温野菜/サラダ/パン/紅茶〉料理の評判があまりよくない国ですが、朝食は完璧なものです。日本人には、ボリュームがありすぎる内容でも、それは英国の歴史と生活の中で完成した英国人に合ったものなのです。これを日本人が真似てボリュームを減らして作ると、簡単なパン食メニューになり、さらに手抜きをすると菓子パン1個の食餌になります。パン食も洋食も否定はしませんが、別の気候風土と歴史の中で食べ継がれた他民族の食を自国の食とするのには、無理があるような気がします。着物を洋服に変えるのとは違い、食べ物には、その民族にしっくり合うものとそうでないものがあります。アジアの農耕民族のDNAに刻まれたものと西欧の狩猟民族のそれとは、まったく違うのですから、真似るのは、ほどほどに、と言っておきましょう。健やかであるための食の秘訣とは、自分のルーツに逆らわないことかもしれません。

食の記憶

日本人は、二千年前からお米を主食としていました。その頃の副菜は、発掘された貝塚からも分かるように魚介類があります。他に、菜っ葉のように、なにかの植物も食べていたでしょう。調味料については、記録がないので推測ですが、塩を使う知恵はあったでしょう。調理法は煮る、焼く程度かと思います。これらを使って現代風に献立を考えると、ご飯、あさりの潮汁、焼き魚、茹で菜、といったものができます。セットにしたら、焼き魚定食になりますね。和食の原型は、ここにあるような気がします。新鮮な魚の塩焼きを見たら、大抵の日本人は、炊きたてのご飯といっしょに食べたいと思うでしょう。この感覚は、昨日今日の体験からではなく、古代から食べ継がれたおいしさの記憶ではないかと思います。風土にあった食べ物であり、何より大切な、生命に直結した味わいを忘れてはいないのでしょう。もしも、この記憶が曖昧になっていたら、蘇らせてほしいものです。古代からの味、それはロマンに満ちていると思います。
おにぎりの力
大リーグで活躍するある選手は、試合前におにぎりを食べるそうです。炭水化物は、すぐエネルギーになり、持続性があるため、試合前におにぎりを食べるスポーツ選手は多いようです。海外で活躍する力の源がサンドウイッチではなく、おにぎりとは、照れくさいような嬉しさを感じます。そして、その頑固な姿勢にカッコ良さも感じます。その行為は、スポーツ栄養学や生理学の知識からだけでなく、自らの体験で選択しているのです。身体は正直に反応しているのでしょう。
先の「朝食自己チェック」で、心当たりがある方は、理屈では説明できない身体の感覚があることを理解し、それに真摯に向き合ってほしいと思います。まずは、気持をこめてギュッとおにぎりを作る朝を始めてください。そして、焼魚定食へと、少しずつ記憶を取り戻していってほしいと思います、蘇ったものは、ブームに左右されることもなく、ずっと消えることがないでしょう。記憶喪失が一過性であることを望むばかりです。
先の「朝食自己チェック」で、心当たりがある方は、理屈では説明できない身体の感覚があることを理解し、それに真摯に向き合ってほしいと思います。まずは、気持をこめてギュッとおにぎりを作る朝を始めてください。そして、焼魚定食へと、少しずつ記憶を取り戻していってほしいと思います、蘇ったものは、ブームに左右されることもなく、ずっと消えることがないでしょう。記憶喪失が一過性であることを望むばかりです。





