ごはんマメ知識・こんなの知ってる?

Vol.12台所から世界を変える
食の値上げが相次いでいます。
食糧問題は世界規模で関係していますが、私たちに身近なところでも、問題解決に向けて取り組めることがありそうです。
食品高騰の波
以前、「魚が買えない」という話を書きましたが(Vol.4参照)、魚だけではなく、小麦や食用油なども同じような状況になってきています。今まで食糧問題に無関心であった人も、食品の値段が高騰しているのを目の当りにして、身近な問題だと感じるようになっているのではないでしょうか。
値段が高騰している理由は、エネルギー問題や需要と供給の問題、世界経済の問題などが、複雑に絡み合っているため、特効薬のようにこれさえあれば解決できるというわけにはいきません。
この先も更に、高騰することも考えられます。このような状況の中で、一個人として何ができるのか、まずは、小さなことから意識を変えていくことが大切ではないかと思います。
食糧がなくなる
この先、地球規模で確実に食糧は足りなくなると言われています。少子化が問題になっている日本では想像し難いことですが、世界の人口は増加する一方で、それに見合った食糧を確保することができないのです。まず、地球上の全人口分を賄えるだけの耕地面積が足りません。家畜の飼料を育てる耕地もこれに含まれています。1kgの牛肉を得るためには、約8kgもの穀物が必要ですが、耕地が足りないということは、当然、食肉も賄えないわけです。また、海洋資源に頼らず魚を養殖するためには、その餌となる小魚が必要で、これもまた、人の食糧となる小魚を養殖魚と分け合わなければなりません。
現在の日本は、食糧の6割以上を輸入に頼っていますが、輸入そのものができなくなる日が来るかもしれません。飢餓で苦しむ人々を他人事だと思ってはいませんか? 明日は我が身かもしれないのです。
なぜ捨てるの?
最近は、高くても国産野菜を買う人が増えています。産地が分かる安心感と新鮮さで選択するのは、当然かもしれませんが、買い物をする人たちを観察してみると、大根の葉、キャベツの外葉、長葱の青い葉の部分を無造作に切り捨てている光景に出会います。国産野菜が高いと文句を言う割に、無駄をしています。なぜ可食部まで捨ててしまうのでしょう。硬いとか汚れているという理由のようですが、捨てられたもののほとんどは、調理の仕方さえ考えれば十分においしくいただけるものです。
細かく切る。よく茹でる。炒めたり、揚げたり、塩で揉んだり、いくらでも調理法はあります。
捨てられた野菜で、どれだけの料理が、そして何人分ができるでしょう。その野菜を育てるために使われた肥料費や運ぶために使われたガソリン費も無駄に捨てられていることになるのです。
そんなことをしている時代ではありません。捨てないことが当たり前だと、考えを変えることが大切ではないでしょうか。
台所から世の中を変える
戦争体験者は、ひとつの食材を驚くほど無駄なく上手に使って調理をします。食糧が乏しい時代に生きてきた人にとって、無駄をすることは、死活問題であり、罪深いという意識が刻まれているのでしょう。
無駄なく調理をすると、ゴミも少なくなります。これは見習うべきことだと思います。ゴミが減れば、二酸化炭素の問題解決にもつながっていきます。現代社会が抱える問題は、すべて関わりあっています。
キャベツの芯や大根の皮でキンピラを作るというような、些細なことでも困難を解決する力になっていくのではないでしょうか。調理というのは、人が生きていくための知恵だと思います。
台所が世の中を変える場所になる。これは大袈裟なことではないでしょう。
一個人に何ができるか、それは、昨日までと考え方を変え、実行に移すことだと思います。
楽しく意識改革を
東京都心のビルの地下に菜園があります。野菜に適した光と養分を与えて育てる未来型農業を提案しています。天候に左右されずに収穫できるのは魅力的ですが、既に行われているハウス栽培同様、維持管理のエネルギー費が気になるところです。安定した食糧を確保するのは、簡単なことではないと感じます。肉や魚を普通の個人が自給するのは不可能なことですが、野菜なら庭やプランターで育てることができるでしょう。すべてを賄うことは無理でも、足しになるかもしれません。何より、育てることの大変さや作物の貴重さが分かり、大事に使うようになるでしょう。たとえば、泥付き葱の根っこを捨てずに2cmほど残してプランターに植えると、やがて細い葱が生えてきます。それは、素麺の薬味に充分に使えます。その楽しさは、無駄にしなかったことへのご褒美だと思います。
意識改革は、難しい作業ではないと思います。ぜひ、試みてください。小さな収穫でもそれ以上に心は豊かになっていくように思います。


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